| 建築法規:その4 【自分自身でも確認申請は出来るのか?】 |
||
![]() 自分自身で建築確認申請は出来るのでしょうか?私が設計事務所へ勤めていた頃は、大工さんが手板図と平面図だけで建築確認が出来た時代もありました。チョット器用な人だと個人でも役人に色々聞きながら自分の家の確認申請を取っていた方がいましたが、現在ではかなり難しい作業だと思われます。 昭和50年頃は、申請書類は申請表紙と委任状程度と申請図面は案内図と配置図と平面図の3種類があれば許認可は取れた時代でした。昭和56年頃には建築基準法の改正もあり、申請図面に対して立面図(2面以上)の規定が追加されました。但し、住宅金融公庫を利用する場合は更に矩計図(カナバカリズ)という断面詳細図の様な図面を添付しなければいけない時代でした。 平成19年6月20日に国土交通省より、耐震偽装問題が発端に更に厳しい規制で確認申請業務が実施されました。この規制より、建築士ですらかなり悩む様な内容になりましたから、個人で申請業務を行う事はかなりの難問になってしまったのが現状ではないでしょうか。もし、自分で建築確認をやって見たいという方がいらっしゃった一度、管轄の役所へ相談を先ずする事をお勧め致します。 ![]() 建築士法より、100m2未満の木造建築物であれば、建築士の資格はなくても設計・監理を行っても問題はない事が明記されていますので、一般の方でも建前上は、建築確認申請は出来る事になります。身近な住宅でありながら、意外と素人が手を出しにくい申請業務となってしまった時代になりました。昔は大工さんがやっていた作業の一部も現在では、大工さんですら手が出せない業務と変貌していきました。 |
||
|
確認申請時に必要な申請用図面の内容は? |
||
![]() |
申請用図面 ![]() @:附近見取り図 A:配置図 B:各階平面図 C:求積図 D:立面図 E:断面図 F:地盤面算出表 G:基礎伏図 H:各階床伏図 I:小屋伏図 例えば、木造3階の場合 J:構造図 ・構造計算書 ・基礎伏図 ・各階床伏図 ・小屋伏図 ・軸組図 ・特記仕様書 ・構造計算プログラム証明書 K:提出図面一覧(チェックリスト等) 以上のものが、代表的に必要になる図面となります。 場合によっては、行政よりその他、適用される条項によって要求される図書が規定されます。 ![]() 注意:4号一戸建ての特例はこれまで通りの予定 木造2階以下建一戸建て住宅の場合は、F・G・H・Iの部分は提出の義務は無いとの意味です。 |
|
|
確認申請時に必要な申請書類内容は? |
||
![]() |
確認申請書類 ![]() @:確認申請書 (様式が改正されます) A:建築計画概要書 (様式が改正されます) B:工事届 (様式が改正されます) C:委任状 (代理者による申請の場合) D:設計者等の資格を証する書類 (建築士免許証の写し) E:構造計算によって安全を確かめられた旨の証明書の写し F:意匠・設備等の図面 (改正規則第1条の3等に規定されている図書) 審査期間の延長 構造計算適合性判定制度の導入に伴い、建築確認の審査期間が延長されます。(21日間→改正後35 日間。ただし、詳細な構造審査を要する場合には最大で70日間) 建築確認審査・検査の指針の明確化 建築確認や中間・完了検査に関する指針が告示で定められ、建築主事や民間機関の確認検査員はこれに従って適正に業務を行うことになります。(改正建築基準法第18条の3関係) ※軽微な不備や記載事項の不明確な点の説明などを除き、図書の差替え又は訂正による申請書の補正が認められなくなります。 @:適合しない旨の通知書の交付 ・建築基準関係規定に適合しないことを認めたときは、「適合しない旨の通知書」を交付することになります。 A:軽微な不備の補正 ・申請書等に軽微な不備(誤記、記載漏れその他これらに類するもので、申請者等が記載しようとした事項が容易に推測される程度のもの)がある場合など ・「適合するかどうかを決定できない旨の通知書」に期限を定めて補正を求めます。 B:追加説明書の提出 ![]() ・申請書等の記載事項に不明確な点がある場合 など ・「適合するかどうかを決定できない旨の通知書」に期限を定めて「追加説明書」の提出を求めます。 C:審査中の計画変更は認めない ・確認審査を行っている期間中において、差替え又は訂正は認めないため。 以上が確認申請書類と建築確認審査の指針内容となります。 |
|
|
中間・完了検査時に必要な申請書類内容は? |
||
![]() |
中間・完了検査申請書類 ![]() @:中間申請書 (様式が改正されます) A:完了申請書 (様式が改正されます) B:委任状 (代理者による申請の場合) C:行政よりその他、適用される条項によって要求される書類等 中間検査・完了検査の改正法適用について(相模原市 建築審査課 抜粋) 6月20日以降に中間検査・完了検査を申請するものは改正法による手続き及び指針による検査が適用されることになります。 @:申請時の提出書類が不足している場合、申請は受理できません。 ・(委任状、資格者を証する書類、軽微な変更説明書、写真の提出など) A:検査は、規則に規定する図書のとおり実施されたものであるかなど適正な監理の状態を確認します。 ・(工事監理の状況、写真、検査並びに簡易な計測機器等による測定又は動作を確認。) ・検査について、下記のように適合しないことを認めたときは、「検査済証を交付できない旨の理由書」を交付することになります。 ・「軽微な変更説明書」が「軽微」に該当しないとき、 ・施工部分が図書とおりに実施されたか確認できないとき、 ・法に適合するか認めることができないとき、 は、「理由書」の交付にあたり、中間検査では「計画変更等の要否」を、完了検査では「追加説明書」を求め再検査を行うことがあります。 建築確認申請等の改正法の適用について(PDF 383KB) 3階建て以上の共同住宅については、中間検査が義務付けられます。 相模原市では、特定工程として指定されておりますので、あわせて適用されることになりますが、工区割がある工事の場合、2階の床全てが対象となり、工区ごとに中間検査を受けることになります。 (例)共同住宅 現:建築基準法法7条の3条1項2号 (相模原市告示による扱い)
新:建築基準法第7条の3条1項1号による扱い
2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事として、2階の床の全工区において中間検査を実施することになります。検査に合格しなければ、2階の床梁を覆う工事は施工できません。 |
|
|
確認申請・中間・完了検査申請の代行業の行方? |
||
![]() |
この6月20日問題は、設計業界・建築業界・不動産業界でも色々と問題が発生している様です。今まで、丸投げ代願設計業務が可能だった特に、建売業者・建築が絡んでいた不動産業者は、代願専門の設計事務所の責任において建築確認申請業務を遂行しなければならなくなりました。 ![]() 無資格で、代願業務をアルバイト的にやっていた人達は基本的には今回の改正で業務は不可能となっているはずです。また、今までは元請の建築士番号で許認可を取っていましたが、代理者の建築士番号も申請書に明記しなければならなくなりました。また、問題等が発生した場合には、元請建築士と同様に連帯責任制度が確立しましたので、建築士免許も車の免許と同様に減点方式となり、安い単価で請け負っていた代願設計士はかなりのリスクを負う事になりました。 ある意味代願設計業務だけが、業者側に有利に働いていた現状を考えれば、建築士の地位向上にかなり働いた法改正ではないかと思います。しかし、現実問題としては有名建築家であればそれなりの顧客を確保しての営業が可能かもしれませんが、零細な設計事務所は建売業者等からの業務によって営業活動が出来ていた事も事実です。 生き残りの最後の手段としては、その業者の社員とて代願業務を遂行する方法しかないと思われますが、その管理建築士のリスクは変わらないと思われます。減点制度で、その建築士が免許停止になったら、その業者の次の建築士が管理建築士として登録し直すしが方法がありませんから、トカゲのシッポ切り状態に成りかねません。業者内の建築士の誰がババを引くのかをビクビクしながらの活動になるとしたら悲劇なお話だと思います。 今後、その様な代願専門の設計事務所は、どの様な進路を進むのかを見守っていきたいと思っています。私の所にも不動産業者や建売専門業者との取引がたまにありますが、今回の法改正の説明をしてアナック本来の設計報酬料の提示をしています。 ![]() プロの建築士ですら、今回の改正によって色々と振り回されているのが現状ですので、昔の様に個人で役人とホノボノと相談しながら建築確認申請をして許認可と取る行為自体不可能な時代へ突入したと思います。 |
|