建築設計:その3
気になる設計料とは?相場があるのか?】

 建築設計事務所に仕事を依頼する場合に、一体幾ら位の金額が発生するのか?相場的なものがあるのか?気になる部分だと思います。よく、一般的?に工事費の10%程度という話を、良く聞きますが、何が根拠となっているのでしょうか?また、実際に10%は最低必要な金額なのでしょうか?

 私が、一般の人であれば、非常に気になる問題だと思います。簡単に10%といっても、2000万円の建築物だとしたら200万円は、その事務所に支払わなければならないと思うと、躊躇する金額だと思います。

 
では、実際の所はどうなのか?を、私なりの解釈の部分もあると思いますが、報告してみたいと思います。

設計報酬の目安
設計料は「高いもの」?)

 設計報酬料は、一般的に「高いもの」と考えられがちだと思います。それは価値観の違いからくる言葉だと思います。国が規準を決め、その枠内で費用を決めている事ですから、無謀な料金を取る事はできません。これは、国家試験を受けた資格業務に対する報酬なのです。

 従来は、建物の種類を五つに分類し、工事費に料率を掛けて算出したものが設計監理料として使われていました。新しい規準は、技術者が一つの仕事の設計図をつくるのに何人必要が、あるいは何日必要とするかを、人工(にんく)の計算によって算出する方法です。

 これは設計内容によっての難易が関係し、携わる技術者の経験年数や、ベテラン度によっても人工単価が変わってきます。本来は、設計図面などが完成した結果として、算出されてくる性格のものです。従来の料率表は%数字が、グラフ化されていましたから、一目で目安がつきましたが、新規準は一目での算定は難しいようです。しかし、総額は、従来のものとそう大差がない様です。

 表では、第1類から第5類に建築を分類しています。第1類の建築は比較的簡易なものが多く、第2類・第3類と、だんだん複雑な建物に分類されている事がわかると思います。住宅は第4類になっていますが、小規模建築であっても、その内容が複雑だからです。

設計報酬料の例
 以下の計算例は、昭和54年建設省告示第1206号に準拠し、その『略算方法』を用いて算出したものです。

『略算方法』
 告示第1206号に基づき「区分E技術者」に換算した標準業務人・日数を「建物類別」と予定工事金額によって求め、「日額人件費」を乗じて算出したものを「直接人件費(P)」として設計報酬料を算定する。

設計報酬料 = 直接人件費(P) + 諸経費(E) + 技術料(F) + 特別経費(P)

第1類
・工場・車庫・格納庫・市場・倉庫等の簡易なもの
・上屋の類

第2類
・工場・車庫・格納庫・市場・倉庫等の複雑なもの
・体育館・スタジアム・発電所・学校・研究所・庁舎
事務所・停車場・百貨店・商店共同住宅・寄宿舎の類

第3類
・銀行・美術館・博物館・図書館・公会堂・劇場・映画館
・オーディトリアム・クラブ・ホテル・旅館・料理店・演奏場
・放送局・病院・診療所・
高級共同住宅の類

第4類
住 宅


第5類
・記念建造物・社寺・教会堂・茶室・室内装飾・家具造作
・ショップフロントの類


 興味をお持ちの方は、下記ホームページ部分に詳細内容が丁寧に明記されていますのでこちらをご参考下さい。

     東京都建築士事務所協会TOP東京都建築士事務所協会TOP
設計監理の契約
相互の信頼をもとに、重要な儀式!)

 業界から発行されているひな形や、各事業所で独自に作られた型式など、いろいろあいります。委託書と受託書だけで契約する、簡略化されたものも利用されています。契約とは、後日、もめごとが生じない様に、相互の信頼をもとに契約のとりきめをし書類を交わす訳ですから、重要な儀式です。

 契約書式はどれを採用されてもかまいません。金額はもちろん記載しますが、その設計監理業務の委託内容を明記し、それ以外の業務(建築確認申請手続きなどや、着色完成予想図「パース」の作成、監理日当、交通費、宿泊費)などの取決め、支払期日、業務完了予定日を明確にしておくことです。万一、設計を途中で中止したら、どうなるでしょう。特殊な事態についての規定が得にありませんから、特別な条件として、お互い協議する事を特筆することも良いと思います。
建築予算の検討
(忘れ勝ちなもの?)

 一般には、目安としての坪当りいくら、と言う便利な言葉が生きています。木造でも、鉄筋コンクリート造や、鉄骨造でも、みな坪当りで表現するのが通例の様です。
本来は、正確に積算した結果の金額を全体の面積で割った結果の価額が坪当り単価として一般的に言われて使われている訳です。

 ちまたで言う、この坪当り単価は、一つの統計からの目安の数値で、あいまいなところもありますが、ある程度の確度をついた数値とも言えます。
建築計画の際、他人の2〜3の例を参考とし、自身の計画に置き換えて坪価を出し、予算作成する向きが多い様ですが、少し項目を設けて価格を計上する方が、的を得たものとなり、その方が予算漏れを防ぐのによいのではないかと思われます。

 参考のため、事業計画項目の例を明示しました。とくに予算書の中での計上名目に注意して下さい。忘れ勝ちなものに、備品、移転費、諸税、雑費などがありますので留意して綿密な計画となる様に心がけてください。一つ計上をし忘れた事で、何かをやめたり、予算不足の窮屈な事業計画をしなければならなくなってしまいますので注意が肝要です。

 依頼の時の、始めての出会いから、依頼者と設計者の合意が成立してお互いに一心同体として考え、打合せの設計作業を通し、依頼者の技術代行者として、設計者は努力をします。工事が始まって、数ヶ月、あるいは数年のつき合いが余儀なくされ、やがて建物の完成をみる事になります。

 完成された建物は依頼者に引継がれ、はじめて依頼者のもちものになるわけですが、設計者は監理者としても工事中しっかり育ててきましたから、ある意味では設計者の建物とも思います。

 この建物のある限り名前が残るのと同時に、責任も残ることになります。また、わが子のような想いを抱き、わが分身として、その建物を愛し続けることができるからです。

 完成後、数年を経て、部分的な修繕や改装・増築など、発展的な段階が、必ず来ますが、その時、あなたは施工会社に相談するでしょか?。それとも、設計者に相談するでしょうか?。

 無から有を創った、依頼者と設計者は、ある時点で一生のつき合いが運命付けられて、切っても切れない、親戚以上の仲になっていきたいと思い続けます。


● 事業計画(例)
1:建設工事費
 @ 建築費 A 電話設置費 B 給水引込分担金 C 放流分担金 D ガス引込分担金 E 近隣対策費 F 補償費(電波・日影) G 地中障害撤去費 H 予備費
2:調査費
 @ 設計管理費 A 地質調査費 B 確認申請費 C 開発申請費 D 開発負担金
3:諸 税
 @ 不動産取得税 A 事業税 B 事業所税
4:広告宣伝費
 @ 印刷費
5:雑 費
 @ 移転費 A 家具・什器・備品 B 事務費 C 保存登記 D 権利設定登記
6:年間経費(毎年)
 @ 借入金返済 A 火災保険料 B EV・電気メンテナンス料 C 管理費
7:諸 税(毎年)
 @ 所得税 A 固定資産税 B 都市計画税
役割と仕事の流れ
(報酬を得ての設計業務は!)
 
 家を建てるのにかなえたい『夢』がたくさんあります。でも、だいじょうぶ!!建築士事務所は、これらの『夢』を実現するため、あなたのお手伝いをします。
 では、具体的な仕事のプロセスを順を追って見ていきましょう。


 注意 :報酬を得ての設計業務は都道府県に登録された『建築士事務所』にしか行えません。
設計相談

建物づくりの第一歩です。様々な希望や条件を建築士事務所(設計者)に相談して、色々な可能性を検討する場であり、建築主と設計者がお互いを知りあう大切な機会です。
契  約

あなたと建築士事務所、双方の『権利や義務』を明確にすると共に、お互いの立場を守るためにも、必ず『業務委託契約』を結ぶことが必要です。
基本設計

建物に対する考え方をうかがい、敷地、立地条件などを調査し、建築基準法等の関係法令に照らし合わせ、平面、立面などの基本設計図を作成します。『希望』が具体化される重要な課程です。十分時間をかけて、納得できるまで打ち合わせることが大切です。また、工事費の概算金額も提示します。
実施設計

基本設計が出来上がり、あなたの建物に対する考え方も十分理解したので、工事に着工できる図面を作成します。意匠設計図、構造設計図、構造計算書、設備設計図、各工事仕様書、工事費積算書、建築関係諸手続き書類などが含まれます。また、ここで作成した設計図の一部を使って「建築確認申請手続き」を行ない「建築確認通知書」を受理してからでなければ、工事に着工できません。
工事監理

実施設計図に基づく工事金額の見積りは、工事業者が行いますが、必要に応じて建築士事務所が、その内容や工事業者の選定について助言します。工事期間中は、設計意図を工事業者に明確に伝え、各工事の施工検査・強度試験・材料検査結果のチェックを行い、工事が請負契約書などに示された諸条件に従って適切に施工されるよう監理します。具体的には、工事施行計画の検討助言や施主と施工者間の調整、各種報告や手続き処理、竣工時の消防署や役所などの検査立合い、及び建築引き渡し時の立合いや最終的な工事の確認などを行います。
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